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個性的かつ魅力的な空間をつくるための3つの具体的なテクニック

偏愛空間

 

個性的かつ魅力的な空間をつくるための3つの具体的なテクニック

偏愛とは人やものを偏って愛すること。 “偏る”という言葉にネガティブな印象を受ける方もいるかもしれませんが、愛するものを自分の空間に取り入れることは、その人の個性が表現されて、より魅力的な空間をつくることができます。“偏愛”は“個性”になり“魅力”になるのです。
 では、具体的に自分が愛するものをインテリアに取り入れるにはどうしたらいいのでしょう。実例をヒントに、3つの切り口で考えてみます。

 

1. 壁を使って表現する

日本人はまだまだ“壁を彩る”ことに対して、苦手意識が強いと感じます。どの家にもあって、多くのボリュームを占めている壁を使って自分の好きなものを表現してほしいと思います。万が一上手くいかなくても、実は塗り替えたり張り替えたりして、リセットすることも可能なのです。ぜひ、チャレンジしていただきたいと思います。

上記写真は東京・神泉にある『BLACKTERRACE』というレストランのソファ席です。お店のデザインテーマはオーナーが愛する「サファリ」。壁画はサンフランシスコ在住のアーティスト、イアン・ロスが描いたものです。この大胆な壁画が描かれたことで、この空間はとても個性的で魅力溢れるものになりました。オーナーはこの席がとても気に入っていて、ときおり自分でもこの席に座って食事をして楽しまれるそうです。インテリアのテクニックとしては、白い布の天蓋がソファ席を覆いテントをイメージさせて、サファリ感をより高めています。

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1)「トランク」
トランクが好きでたくさん持っている方の書斎。トランクの中には物を収納しつつ積み上げて、コーナーのアクセントに。使い込んだトランクは、絵になりますし、機能的(収納できる)。と、いうことで壁紙もトランク柄に。非常にユニークで個性溢れるコーナーになりました。

2. コーナーをつくって飾る

せっかく集めた、愛するものをしまっておくだけではもったいないと思いませんか? すべてを飾ると考えると大変ですが、陳列棚ではなく、一部を飾ることができる床の間のような棚をつくることで、愛するものを飾る楽しみや眺める楽しみが生まれます。日本人は床の間で季節や趣味を楽しんできたのです。

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2)「骨董品」
リビングの壁に棚をつくり、蒐集した骨董品を並べられるようにしました。季節や気分で飾る物を替えて楽しみます。骨董品が引き立つよう、壁は法隆寺の土塀にも用いられている版築(はんちく)という工法で仕上げました。骨董の魅力が際立ち、趣ある空間になりました。

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3)「急須と昆虫の置物」
ファッションデザイナー・コシノジュンコさんのご自宅にある、蒐集品が並べられたコーナーです。国内外で購入されたたくさんの急須と昆虫の置物を、古い棚を中心に無造作に並べています。それぞれ、つくられた国も素材もばらばらですがコシノさんのセンスで集められたもの、という統一感があります。豊かな感性をお持ちのデザイナーがつくる空間は、ハードルの高い取り入れ方ですが、参考になります。

 

3. 専用の“場”をつくる

愛するもののための“場”をつくる=インテリアの一部に取り入れることで、居住空間がより豊かになり、日常の中で楽しむことができます。

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4)「暖炉」
「大好きな暖炉を眺めて過ごしたい」というリクエストから、広々としたリビングルームの隅に暖炉を囲むスペースをつくりました。一段低いソファ席をつくったため、暖炉を囲み籠もるような心地よさがあります。家族のお気に入りの場所になりました。

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5)「ルーフテラス」
「屋外での食事を楽しみたい」という希望を叶えるために、ルーフテラスにキッチンを設置し、その都度いろいろものを運ぶ手間がかからないようにしました。オープンエアの部屋のように、気軽にバーベキューなどを楽しめる“場”になりました。

自分が愛するものをインテリアに取り入れる方法は、いくつもあります。愛する「もの」が「空間」に表現されることで、愛する空間が完成します。ぜひみなさんも試してみてください。好きなものに囲まれ、眺めることができる空間は、豊かで心地よい自分らしい空間となるはずです。




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