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自分らしいキッチンの見つけ方
2020年12月23日 キッチン
LDKは機能も一体化できる
自分らしい食の空間は、家具の置き方を含めて自由に個性的であるべき。
私は住宅において「食」は、住む人のライフスタイルを最も映し出すものだと考えています。そのため、自分らしい食卓と台所をつくることは、豊かな住まいを実現するうえで、とても大切なことだといえます。
では、そんな理想の空間をつくるためには何を考えればよいのでしょうか。
それにはまず“自分らしい食事の仕方とはどのようなことなのか”を考えることが必要になります。
近年、台所=キッチン(K)、食卓=ダイニング(D)、そして、居間=リビング(L)の関係性は大きく変化しています。台所はかつて土間にありましたし、少し前まではマンションでもキッチンとダイニングを分離したプランが主流でした。それが、現在ではほとんどのマンションでLDKがオープンにつながる空間が一般的になりました。LDKの使い方としては、空間にダイニングとリビンスペースが設けられているので、家具はダイニングセットとソファセットをそれぞれに設置している方が多いと思います。
ですが、自分らしい食事の仕方を考えたとき、台所のカウンターに食事するスペースをとったり、私が提案してきたNOOK(ヌック)という食卓と居間のソファが一体化したスペースをとったり、居間のソファそのもので食事をするダイニングソファのスタイルにしたり、と、人それぞれのライフスタイルにあった台所と食卓と居間の関係があると思います。
さらに自由な空間づくりのためには、LDKそれぞれの空間に自分が求めるものを整理してみることも大切です。
いつ、何人くらいで、どんな料理を作りどんな風に食事をしたいのか具体的に考えてみる
ところでキッチンとは、いわば「食の創造」をする空間。レンジ、シンク、冷蔵庫など、さまざまな設備が必要で、住まいのなかで最も高い機能性が求められる場所であると同時に、住まい手のライフスタイルを最も表す場所です。
上図は、キッチンの一般的な5つのプランです。機器や作業スペースを横一列に配置するI型、L字型に配置するL型、U字型に配置するU型、設備を壁から離して島(アイランド)のように設置されるアイランド型、一部が壁に接し、残りの部分が半島(ペニンシュラ)のように突き出したペニンシュラ型があります。もちろん、いくつかのプランを組み合わせることもできます。
現在、主流となっているのはアイランド型とペニンシュラ型ですが、私はより自由に発想したいので、基本プランから考えるのではなく、住まい手のライフスタイルに合ったキッチンとダイニングの関係を提案することを心がけています。
1)アイランド型キッチン/キッチンを家族やゲストみんなで囲んで料理できる、動線が確保されたアイランド型は機能的。
2)ペニンシュラ型キッチン/現在のマンションの一般的なプラン。このお宅ではキッチンカウンターのコンロの部分が壁に接しています。セミオープンで、開放感と同時に隠せるスペースも確保されて機能的。
一方、食卓は「食の行為」をする空間です。自分の住まいで、いつ、何人で、どのように、どこで、どんな食事をしたいのかを考え、自分らしい食卓のあり方を見つけていただきたいと思います。
その人らしい個性的な食卓の家具プランを実現した事例をご紹介します。
3)ダイニングソファ/ダイニングで過ごす時間が長く、リビングのソファをあまり使わないという夫妻のライフスタイルに合わせて提案した、ダイニングとリビングのソファが一体化したプラン。
5)NOOK/家具をベンチにしたNOOK。キッチンに隣接したNOOKは、家族の溜まり場。機能的で、かつリラックスして食事ができます。
6)インドアアウトドアダイニング一体型キッチン/長いカウンターがサッシを挟んで屋内と屋外に分かれていて、内外どちらでも食事をすることができます。外で食事をする…、日常に楽しみが加わります。
食文化は多様化し、食の経験も豊富になり、住まいの台所と食卓の関係も進化しました。さらにアウトドアで食事を楽しむ方も増え、屋内と屋外の食の関係を考えることも日常の食の可能性を広げています。
そんな自由で個性的な空間の考え方は、暮らしを豊かにするエッセンスになります。
それぞれのライフスタイルに合う、快適で楽しく美しい台所と食卓を実現できるプランを見つけてほしいと思います。