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自動車業界各社の業績と動向について解説
2022年10月22日 金融・経済
コロナや半導体不足により自動車業界は2020年度の国内新車販売台数は前年度比で7.6%減となりました。国内の新車販売はピークだった1990年度の3分の2まで縮小し、今後は人口減少で海外での販売拡大やEV車などがテーマになると思われます。
そこで今回は自動車業界各社の業績と今後の動向と将来性について解説していきます。
自動車業界の動向
電気自動車の普及
世界的に、電気自動車(EV)の需要が増加しています。これは、環境に優しい選択肢としての需要が高まっていることに加え、政府の規制や補助金の導入による影響もあります。
自動運転技術
自動運転技術の進歩が加速しています。自動運転車の開発に向けた投資が増加しており、自動運転レベル3やレベル4の車両が商業化されつつあります。
コネクテッドカー技術
コネクテッドカー技術はますます一般的になっています。車両は、インターネットに接続され、ドライバーや乗客は、音声コントロール、ナビゲーション、エンターテイメント、安全性など、多数の機能を利用できるようになっています。
カーシェアリング
カーシェアリングはますます普及しています。このサービスは、車の所有者が車を貸し出し、必要なときに利用するというもので、都市部の交通渋滞緩和や、環境保護などに貢献するとされています。
モビリティサービスの拡大
自動車業界では、モビリティサービスの提供に注力しています。車両のシェアリングや配車、自動運転技術を活用したロボタクシーなどがその代表例です。
これらの動向に加え、自動車産業は環境保護に向けた取り組みも進めています。自動車の排出ガス規制強化、車両重量の軽量化、リサイクルなどの技術開発や政策策定が進められています。
トヨタ自動車(7203)
株価と業績推移(5年)
【業績】 | 売上高 | 営業利益 | 1株益(円) |
◎20. 3* | 29,929,992 | 2,442,869 | 147.1 |
◇21. 3* | 27,214,594 | 2,197,748 | 160.6 |
◇22. 3* | 31,379,507 | 2,995,697 | 205.2 |
◇23. 3予 | 35,000,000 | 2,950,000 | 201.6 |
◇24. 3予 | 37,000,000 | 3,200,000 | 206.8 |
ポイント
➀コロナ営業をそこまで受けずに営業利益を伸ばしている ➁円安が追い風に ➂好採算のSUVが増勢 ➃資材高騰影響あるが、車両価格値上げや販売費抑制によりこなす ➄EV用電池増産に日米で大型投資 |
2020年度の自動車業界全体の国内販売数は低水準だったものの、トヨタ自動車は営業利益を伸ばして株価も上昇傾向にあります。また、2022年10月現在で1ドル150円前後の円安となっており、輸出による拡大が追い風となってきています。
2023年度以降は業績予想を強気予想となっていますが、引き続き、上海ロックダウンや南アフリカの洪水などの供給制約による販売台数の減少や資材高騰の影響、今後の円安状況、またウクライナとロシアの状況などにより予想が大きく下振れする可能性もありそうです。
決算説明会資料PDF↓
2023年度 第1四半期 決算説明会
2022年3月期 決算説明会
2022年3月期 決算短信
日産自動車(7201)
株価と業績推移(5年)
【業績】 | 売上高 | 営業利益 | 1株益(円) |
連20. 3 | 9,878,866 | -40,469 | -171.5 |
連21. 3 | 7,862,572 | -150,651 | -114.7 |
連22. 3 | 8,424,585 | 247,307 | 55.1 |
連23. 3予 | 10,500,000 | 295,000 | 43.4 |
連24. 3予 | 11,500,000 | 330,000 | 54.9 |
ポイント
➀過去の拡大路線の失敗による財務体質の悪化状況が続いている ➁社債発行などで手元資金を厚くしているが、利払いの負担が財務をさらに悪化させる可能性 ➂上海ロックダウンによる物流、サプライヤー、ディーラーの稼働状況は回復傾向 ➃半導体不足への対策は代替部品や代替調達先の開発・開拓へ ➄原材料価格上昇への対策は現物及び金融を活用したリスクヘッジや原材料の使用量を最適化するための開発を実施 ➅新型車複数投入で単価上昇傾向 ⑦円安が追い風に |
直近の損益計算書を見る限りでは原材料価格上昇による売上原価の上昇がまだ続いていると予想します。また為替差損が発生しており円安によりプラスの影響だけでなく、日産自動車についてはマイナスの影響もありそうです。
ただ、現在の株価は低空飛行が続いており、今後は回復傾向に向くのではと思います。
1株益最大年度との比較
【業績】 | 2016年度 | 2022年度 |
売上高 | 12,189,519 | 8,424,585 |
売上原価 | 9,796,998 | 7,070,531 |
販管費 | 1,599,243 | 1,106,747 |
営業利益 | 793,278 | 247,307 |
1株益(円) | 125.0 | 55.1 |
売上原価(率) | 80.3% | 83.9% |
販管費(率) | 13.11% | 13.13% |
営業利益(率) | 6.5% | 2.9% |
決算説明会資料PDF↓
2022年度 第1四半期 決算説明会
2021年度 決算説明会
2021年度 決算短信
本田技研工業 (7267)
株価と業績推移(5年)
【業績】 | 売上高 | 営業利益 | 1株益(円) |
◇20. 3 | 14,931,009 | 633,637 | 260.1 |
◇21. 3 | 13,170,519 | 660,208 | 380.8 |
◇22. 3 | 14,552,696 | 871,232 | 411.1 |
◇23. 3予 | 16,810,000 | 900,000 | 439.4 |
◇24. 3予 | 17,000,000 | 910,000 | 462.8 |
ポイント
➀稼ぎ頭の2輪はインドなど復調 ➁円安が追い風に ➂材料費高騰影響は限定的 ➃韓国LG系と44億ドル投じ米国にEV電池工場新設、25年稼働 ➄半導体の供給不足や上海ロックダウンの影響などにより、中国や北米を中心に減少するも影響限定的 ➅四輪販売台数の減少や原材料価格の高騰影響 |
依然、自動車部門は半導体の供給不足やインフレ影響など、先行きは依然不透明ですが、本田技研では二輪販売台数が順調に推移していることにより営業利益率を確保しており、今後も販売台数はアジアを中心に伸ばしていきそうです。
今後の方向性としては、新型車を積極的に投入し販売を強化していくとのことで、外部要因のリスクさえ影響がなければ業績は回復傾向に向くと思われます。
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2022年度 第1四半期 決算説明会
2021年度 決算説明会
2021年度 決算短信