ドリームライフ

カーシェアの現状と今後の見通しを徹底解説

時代は所有から共有になってきている中、車を「所有するもの」から「移動する手段」として適宜使うものへ転換させるカーシェアの普及が世界的に進んでいます。

そこで、今回はカーシェアの現状と今後の見通しを徹底解説していきます。

カーシェアリングの現状

成長している市場

カーシェア市場は急速に成長しています。世界的には、2019年には約240億ドルの市場規模に達し、2024年までには年平均約16%の成長が見込まれています。

都市部を中心に展開

カーシェアは、都市部で最も一般的に利用されています。これは、都市部での交通渋滞や駐車スペースの不足などの問題が大きいため、車を必要とする人がある程度存在するためです。

顧客層の拡大

初期のカーシェアサービスはビジネスマンを主なターゲットにしていましたが、現在では一般消費者や旅行者、学生など、幅広い顧客層にサービスを提供しています。

EVやPHEVの導入

カーシェアサービスでは、環境に優しいEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)の導入が進んでいます。これは、環境保護への意識が高まっていることや、政府からの補助金などによる影響があるとされています。

新たなビジネスモデルの探求

カーシェアサービスは、従来の自動車産業にはない新しいビジネスモデルを模索しています。例えば、シェアリングエコノミーの一環として、個人所有の車をシェアリングするプラットフォームの提供や、自動運転車を用いたカーシェアサービスなどが検討されています。

 

カーシェアリング車両台数と会員数の推移

出典:公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団

公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団による2021年3月の調査では、日本のカーシェアリング車両ステーション数は19,346 カ所(前年比1.2%増)、車両台数は43,460台(同7.9%増)、会員数は2,245,156人(同9.7%増)と、引き続き増加しています。会員数は220 万人を超えました。

 

サービス提供会社別車両台数推移(主要5社 2022.3~6)

出典:カーシェアの情報比較サイト「カーシェアリング比較360°」

カーシェアの車両数は増加傾向で、出張やレジャーといった長距離移動はもちろん、短時間から利用可能なカーシェアは自家用車代わりとしての利用や企業での移動手段でも普及している。

その中でも、タイムズカーシェアの比率が高い傾向が続いています。
そこで、次はタイムズカーシェアを運営するパーク24の現状と今後の展開について解説していきます。




 

カーシェア業界の現状と見通し

 

パーク24の損益計算書推移

※2022年10月は業績予想となります。

2019年10月期までは増収増益で推移していましたが、2020年10月期以降から減収傾向に推移しています。

要因としては、コロナ影響による所が大きく、2022年10月期からは引き続きコロナの影響は残るものの、回復に向かうと見られています。

 

業界の課題

業界の課題としては駐車場代、車両費用などの固定費が重く収益化が難しい業界と言われています。

その中でも国内首位のパーク24は自社で保有する駐車場を使い、一気に「面」を取って大規模展開することで一時は黒字化させていましたが、現状はコロナ影響でカーシェア事業は赤字に陥ている状況です。

 

カーシェア事業の損益分岐点

カーシェア事業の損益分岐点は日中稼働率30%~40%の間と言われています。

その中でパーク24が業界トップになっている理由が、グループ企業の駐車場スペースを活用しているため、駐車場代の固定費が削減出来ている点にあります。

また、業界No1の駐車場数を保持しているため、顧客他社やレンタカー店舗よりも借りられる場所が多い利便性を享受できることも要因です。

 

パーク24の今後の取り組み施策

 

台当たり収益の最大化

• 車両台数52,600台を維持
• 台当たり利用料売上
`21/10月期 92千円/月→`22/10月期 106千円/月(+15%)
• 利用促進の運用施策を積極推進

 

タイムズカー可変モデルの構築

• タイムズカー可変モデル=1車室から複数台貸出すモデルのオペレーション体制構築
• 需要に応じた貸し出しステーションの開発


車両配備の最適化

• 需要に応じた最適な車両の再配置の徹底
=低稼働エリアから高稼働エリアへ車両を移動







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