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円安による影響は?飲食業界の現状と未来についてわかりやすく解説
2022年05月10日 金融・経済
外国為替市場で円安・ドル高が急速に進んでいます。2022年5月時点で約20年ぶりの水準となる1ドル=131円台を記録しています。
今回は、何故このようなことが起こっているのか?飲食店などの業界の現状は?これからどうなっていくのか?についてわかりやすく解説していきます。
なぜ、円安ドル高が進んでいるのか?
一言で言うと日米の金融政策に差が出ているのが一番の原因であると言えます。
日本では日銀により大規模な金融緩和が続いており、一方で米国は歴史的なインフレにより金利を上げたり金融引き締めに舵を切っており、日米の金利差が拡大したことで金利の高いドルを買う動きが活発になっています。
円安が飲食店に与える影響は?
デメリット
原油高も重なり、特に輸入食材を仕入れている飲食店は仕入高状態で原価が上がっており、利益を圧迫していっています。
メリット
円安になると海外からすれば日本が割安になるため、インバウンドが増えやすい傾向にあり、特に肉料理やお寿司・ラーメンなど海外の人が好まれる日本食を提供する飲食店への来店が増えやすくなっています。
原価が上がっている食材・商品は?
帝国データバンクの調査によると、食品主要105社が2022年以降に値上げを計画している品目は6000を超えることが明らかとなり、このうち、約6割が4月までに値上げを実施。今後も値上がりが続くと見られており、飲食店は仕入れへの影響が避けられない状況です。
その中でもカップラーメンやハム・ソーセージ、冷凍食品といった「加工食品」が2909品目と最も多く、次に多いのが「調味料」で、ドレッシングやマヨネーズなど1311品目が該当。調味料の原料として使われている菜種油の価格が高騰していることなどが主な原因となっており、値上げ率の平均は12%となっています。
また、原材料の高騰だけでなく、原油高に伴う包装資材費の上昇なども、価格を引き上げた要因となっています。
今後の見通しは?
日銀の黒田総裁は「円安は日本全体の経済にとってプラスである」という考えを示し、大規模な金融緩和を継続する方向です。
一方で、米国はインフレが今後継続するようであれば、まだまだ金利の引き上げに舵を切ることが予想され、市場ではさらに円安に進むという見方が優勢になっています。
そうなると、飲食店としては今は値上げを行っていなくても、たちまち収益を圧迫していくため、値上げをせざる追えない状況となっていき、客足が今よりも遠のく可能性も想像に難しくありません。
原材料高の打撃をうけている大手飲食店の動き
サイゼリヤ
「これだけ逆風がそろったことはないんじゃないか」。ファミリーレストラン大手サイゼリヤの堀埜一成社長は13日の決算会見で、円安をコロナ禍やウクライナ危機に並ぶ逆風に挙げた。イタリア産のハムやオリーブオイルなど国内で使う食材の約3分の2は海外産。「円安は全ての輸入品にきいてくる。最悪の一つだ」ともらした。すでにハンバーグの一部で国産化を進め、ハムも国内仕入れを検討しているという。
大阪王将
大阪王将を展開するイートアンドホールディングス(HD)の文野直樹会長は同日、将来的な値上げにも言及。「秋(の小麦価格)に影響が出てくるかもしれない。適切に価格転嫁していくしかない」と話した。
上記の通り、今後他の飲食店でも国産化や値上げなどの対策を取っていく店舗が増えていくと予想される。