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自然と生きるインテリアの作り方
2020年07月25日
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自然と過ごすことは、ゆたかさそのもの。
自然のもの=土に還るもの。自然に還る存在である私たち人間にとって、自然と過ごすことはゆたかさそのものだといえます。そして、それはこれまでお話ししてきた“自分らしさ”をみつけることにほかならないと思うのです。
都会で暮らす人々にとって「自然と暮らすこと」は、実現困難なことのように感じられます。でも、一口に“自然”といっても、山や海などの大自然、空、土、木、花、光、風、など身近にある自然、その要素は多様です。自然を身近に感じられるよう暮らしに取り入れることで、たとえ大自然に囲まれていない都会でも、自然を感じて暮らすことは可能なのです。そのための具体的な方法を、実例をご覧いただきながら紹介したいと思います。
理想の地に見出した自然と暮らす家
まず見ていただきたいのが下の写真。パリをはじめ海外生活の経験も豊富なアーティストの家です。この方はまさに、自然と暮らす家を建てるため、理想的な土地を探して日本中を巡り、最終的に辿り着いたのが長野県の穂高の土地でした。この写真の空間は、扉を開けて最初に目に飛び込んでくるエントランスホールです。室内ですが大きなガラス戸を開け放てばオープンエアになります。正面に人工的な中庭の竹林を設けたことで、目前に広がるアルプス山脈の大自然と室内が繋がり、室内に身を置きつつ屋外の豊かな自然を感じられる、内と外を繋げる曖昧な空間です。穂高の豊かな自然と室内を繋げることを強く意識したプランによって、日々の暮らしの中で“自然と共に暮らす”心地よさを存分に感じることができます。
1)“自然と暮らす家”というテーマ以外のリクエストは “ギャラリーのような家”。この日常を結界するアプローチは、水盤の上のブリッジを歩いて、視覚、聴覚、嗅覚で自然を感じながらエントランスへと向かわせます。
インテリアの工夫で都市の住宅でも自然を感じる暮らし
このような大自然に囲まれた長野の住まいであっても、室内に自然を取り入れる工夫をしなければ、自然と共に暮らす心地よさを感じることはできません。これは逆説的に、都市の住宅でも工夫次第で、自然を感じる暮らしは実現できる、ともいえるのではないでしょうか。
2)ダイニングに繋がるインナーテラス。室内とテラスの床の高さや素材、色を同じにすることで内と外が繋がり、屋外をより身近に感じることができます。
庭のないマンションの場合、自然を取り入れる窓からの眺めは大切です。窓の位置自体を変えることはできませんが、ウインドウトリートメントで視界を調節することができます。見たいものと見たくないものをはっきりと分けることがポイントです。室内の景観に対しても同様です。たとえば、快適な生活には不可欠な空調などの設備や電気機器といった機械的なものは“隠す”ことも重要です。
3)ウインドウトリートメントによって視界を調節した例です。隣接する建物をシェードで隠し、テラスの植栽だけを見えるようにしています。このようにすれば、建物が密集する都心部でも自然を感じられる心地よい空間になるのです。これとは逆に、窓の下半分、道路や行き交う人々をシェードで隠し、街路樹の緑だけが見えるようにするシェードをつくることも可能です。
4)写真のリビングは左の壁にテレビを埋め込み、反対側の壁に沿って置かれた家具の中にAV機器が収納されており、リモコンで操作ができます。AV機器はテレビの側に置く、という固定概念をなくせば、インテリアの可能性は広がります。窓の外の景色もすっきりと感じられます。
室内に植物や花が一輪あるだけでも空間は生き生きとしてきます。命あるものが私たちを癒してくれるのです。リビングやダイニングにチェストやコンソールなどの家具を置き、植物や花を飾る“場を作る”というのも手軽に自然を取り入れるための有効な方法です。
5)花瓶に花を一輪挿して置くだけで雰囲気が変わります。小さな工夫でも自然を感じることはできるのです。
大自然の中で暮らすことの心地よさは誰でも理解していますが、都会で暮らす空間でも自然を感じることができる工夫はたくさんあります。森林のアロマが一つあるだけでも自然を感じることはできるのですから。自然の中にある香り、光、色彩、素材等々、五感で感じられる何かを取り入れる、そんな小さな工夫から始めてみてはいかがでしょう。
タグ: インテリア, マンション, リフォーム・リノベーション, 注文住宅